3000年の歴史があると言われているアーユルヴェーダ。サンスクリット語で、《アーユス=生命》 + 《ヴェーダ=真理、科学》の造語で「生命の科学」と訳され、太古の昔から変わらぬ叡智です。 アーユルヴェーダでは「リトゥチャリヤ」という季節に応じた「衣食住」、「運動の仕方」、「性生活」、「睡眠」についての細かい指導があります。そこにある「冬の過ごし方」について紹介します。月の影響が強くなる 冬冬は月の影響が強くなり寒気が増し、冷たい風で、体内に乾性の要素が増える時期。生活面では、●暖かい部屋で過ごし、夜の外出・強風を避ける。●手袋・帽子・靴下で全身を守り、体を十分暖める衣類を選ぶ。●就寝中は冷えないように気をつける。●あたためたオイルでのオイルマッサージを毎日行うとよい。云々・・・とあります。 読んでみたら、そんなの当たり前じゃない?と思いますが、意外と上記に反することをやってしまうのが現代人のライフスタイルやファッションです。食事面に関しては、寒い季節は、適度にオイリーでこってりしたものも「適度に食べる」ように勧められています。この時期は集まりごとも多く、食事も豪勢なのも理にかなっていますね。ここでは 「適度に食べる」というのも大事なポイントです。やはり食べ過ぎると、胃腸の動きが鈍くなり、不調につながります。冬に毒素を溜め込むと、春の不調につながります。逆に、冬場に粗食をしたり、冷たい飲料や食べ物を摂ると、「ヴァータ」と呼ばれる「風のエネルギー」を増やし病気になりやすくなります。ですからアーユルヴェーダでは、冬に食事を減らしておこなうダイエットは禁忌とされています。寒い時期は食欲も増します。我慢せずにおいしいものを食べましょう。寒くなるとなんだか心が寂しくなる方は、皮膚が乾燥していませんか?温めたオイルを全身にたっぷり塗布し、乾燥や冷えを防いでみると、不思議と心もしっとり落ち着き穏やかになります。オイルを塗布して15分ほど肌に浸透させてから、蒸しタオルで全身をきれいに拭き取リ、温かいお風呂に入り発汗するとスッキリします。(※ 風邪をひいている方や、食事後の満腹時はオイル塗布を避けてください。)ちなみに、「愛する女性と一緒に過ごすこと」も、冬のリトゥチャリヤに書かれていることのひとつです。人以外でも、ペットや生き物、毛布、お風呂などぬくもりが際立つのも、寒さのおかげですね。ぬくぬくと暖かくしてよい冬をお過ごしください。