産前におすすめのセルフケアについて書いておきます。アーユルヴェーダには、「ピチュ」と呼ばれるオイルケアの方法があります。オイルをひたひたに染み込ませたコットンを、湿布のように貼り付けて、オイルをじんわりと浸透させる方法です。お産で負担がかかる箇所に、あらかじめオイルをしっかりと吸収させておくと、皮膚に潤いと弾力が生まれ、お産がスムーズになります。血液循環がよくなり痛みが軽減する他、皮膚の伸びがよくなることで、出産時に会陰が裂けにくくなり、たとえ裂けても治りがよいと言われています。以下、⚫️ ピチュに使う「太白ごま油」⚫️ 「太白ごま油」の熱処理について⚫️ ピチュのやり方&ピチュをやると効果的な箇所の順に挙げていきます。⚫️ ピチュに使う「太白ごま油」日本で行う場合は、手に入りやすい「太白ごま油」がおすすめです。「太白ごま油」は無色透明で、匂いもほとんどありません。スーパーで購入できる食用のものを使います。一度、熱処理(キュアリング)することで、油の成分がより良くなるだけでなく、さらっとした触感になり皮膚に浸透しやすくなります。※ 熱処理が必要なのは、太白ごま油のみです。他のオイルは熱処理は必要ありません。⚫️ 「太白ごま油」の熱処理の仕方小鍋に太白ごま油を入れ、90度なるまで加熱。→ 温度計で注意深く測ることをおすすめします。90度まで上がったら、火を止めても余熱で100度くらいまであがります。あまり加熱しすぎると焙煎ごま油の香りになるので注意してください。火からおろして冷ます。冷めたら瓶に戻して、冷暗所で保管。⚫️ ピチュのやり方&ピチュをやると効果的な箇所お産で、特に負担がかかる箇所は、「恥骨」、「会陰」、「肛門」、「仙骨」周辺です。湯煎して温めたオイルを、コットンがひたひたになるまで浸します。大判のコットンが、広範囲をカバーできるのでおすすめです。(コットンに浸すオイルの量が少ないと、効果も半減します。たっぷりとオイルを使ってください)上記の箇所に置いて、15分~20分程度そのままにしておきます。一箇所だけでも、数カ所を一緒に行っても大丈夫です。身体を冷やさないように、部屋も暖めておいてください。生理用のナプキンを使って衛生状態を保ちながら、会陰部分に長めにピチュをするのもおすすめです。仙骨へのオイルピチュは、出産を控える方だけでなく腰痛がある方にもおすすめです。不眠がちな方や自律神経が乱れがちの方は、頭頂部、額、耳のオイルピチュも試してみてください。リラックス効果があるだけでなく、目の疲れ、肩こり、頭痛の改善に繋がることもあります。アーユルヴェーダは自分で自分をケアできる知恵の宝庫です。オイルの熱処理などの工程は少し手間に思うかもしれませんが、実際にやってみると、驚くほど身体と心がじんわりと緩むのが実感できます。よいお産になりますように。